時々はぼんやり考える

ライブの感想など

220925/中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2022

行って参りました。備忘録と感想文です。3年ぶりの有観客開催だそうです。個人的には2017年ぶりに参加。

7月、開催決定のニュースと共に発表された第一弾アーティストの中で燦然と輝く4文字、「奥田民生」(本当に天才の字面だ)。見た瞬間叫んだ…!毎年毎年いてもおかしくないラインナップを見てはOTはやく来てくれー!と思っていた時を経てついに中津川に。OTが岐阜に。夢みたい。いつか出るとは思ってたけどこんなずっと出ないならもう出ないだろとも思っていた(どっち)。発表された日から生活のすべて、人生のすべてを9/25に定めて進んでいくこととなった。あわよくばトライセラグレイプバインや真心や斉藤和義スカパラなんかもいてくれると助かるし楽しい君たち常連だろ、と思っていたがそのあたりのバンドは何故か全然来なかった。お目当てがOTだけという一日になりそう。最終出演者発表とかタイムテーブルとか出店とかの情報がでるのな~~~んか遅いなのんびり運営さんだなもしかして地元の賛同を得られてなくてフェス自体が中止になったりしないよなと若干不安を抱えていた9月前半にやっと更新された公式を見るととんでもない情報が書いてあった。「奥田民生MTR&Y)」。MTRYじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!股旅じゃなかったバンドだ!!!!!!!!!!!!!(股旅でもうれしいけどでも)オーガナイザー佐藤タイジさんありがとう!!!!!!オーガナイザーに感謝。オーガナイザーって何?MTRYツアーは直近だと2021年年明けにやっていたけど配信しか見てないので個人的に最後にライブに行ったのは2018年6月でした久しぶりーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!舞い上がてしまった祭りだ祭りだ。すべての景色が輝いて見えた。わたしはMTRYのライブを見る予定がある。

こんな感じで行く前から舞い上がりすぎて例によって緊張で眠れず当日のコンディションは最悪だった。でも今年で一番本気を出すと決めていたので朝早く出発した。行きは友だちの車に乗っけてもらえたので楽勝♪楽勝♪(服部)という気持ちだったけど駐車場から会場まで体感で15分くらい歩かなくてはならず既にハイキングしたみたいな疲労を背負う。しかも暑い。8時半でこんだけ暑いの、先が思いやられる。3日間開催のうち1日目は台風の影響で酷い悪天候だったのでそれと比べれば全然良いのだけど。

駐車場から会場まで歩いた道。ぼくのなつやすみ

例年と違い開場時間前だけど会場には入れて、整列させられてじわじわ会場内を歩き、メインのエリア一歩手前みたいな場所でストップしそこで開場の10時まで待機となった。開場前に日差しでだいぶ体力がえぐられるので日差し対策が必要だと感じた。ここに居る人はシートエリアの良い位置にシート敷きたい勢で、私は荷物置き程度に敷ければいいやくらいの気持ちだったので今思えばこんな早く行かなくても良かった笑。まあいいのだ。開場してシートで基地を作り、出店を見たりカレー食べたりする。

入場ゲート

カレーは正義

開演の11時前に一旦メインのステージを確認しに行ったらこの時点で3列目くらいまでちらほら人が立ってた。MTRYがここでライブやるなんてまだ現実味がない。OTファンっぽい人もいてWAOと思った。14:20の出番までずっといるおつもりか?超人?日差しを遮るものが何もなく熱中症不可避だったのでとりあえず退散した。地面にしるしが埋まっていてそこに立つとソーシャルディスタンスが保たれるようになっていた。ただそのルールがあまり周知されてる感じがなくて(早い時間にスタッフからの説明が一回だけ聞こえてきたくらい)後ほどこれが原因でちょっと荒れる(不穏)。andropを見終わって野外で聴く音楽最高~~と高まっていたらOT目当て勢が前方に大集合して椅子取りゲームが始まった。しるしに立たなくてはいけないという意識があって引き下がる人もいれば居座る人もいる。私の周辺はルールを守っている人が多くしるしを無視してる人の方が目立っていたので、そういう人に声を掛けてみたら悪態をつかれたの巻。や~~めちゃくちゃ気分悪くなっちゃいますた。別にそこらへんで飲み食いしてるしこの場だけしっかり厳密にディスタンス守ることに意味があるのかと言われたらそうは思わないけどルールがあるから有観客で開催できるんだから守ればよくないか?というかスタッフの人が注意してくれよ。みたいなことを悶々と考えていたらもう出番になった。急に時間の進み方が早くなった。切り替えて楽しむ~~と全集中する。

SEのイージュー★ライダーと共にご登場。有名曲がSEだとご本人登場みたいな雰囲気で面白かった&あわあわした。OTはなんか色とりどりで複雑な柄のひらひらしたシャツを着ており、か、神さま?と思った第一印象。ブーーーーンと骨太で重厚な音が鳴ったらKYAISUIYOKUMASTER。あーーーーーーーーーーーーーーいち音目からMTRYだ。自然に囲まれて晴天で、ディスタンスが保たれて、バッグをおろして帽子も脱いで、解放感はんぱなく、すぐそこに“存在”するたみおさんを見たら完全に自然で純度100%の涙が出た。人間だった。わたしもたみおさんも…!人間という証明だった………!生きてた!!うわ゛ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そんで生きてるだけで最高なのにめちゃくちゃかっこよかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!おかしいって!!!!!!!!!!!!!!!!!かっこよすぎんだが。は?は?と思っていた心の中で。かっこよさに涙した。今まで生きてきて一番良い思いをしている、今。とハッキリと思った。身体を揺らすのが楽しすぎて、自分の肉体に感謝した。肉体があって良かった。揺らす体があって良かった。丈夫に生んでもらえて良かった。違和感が無く何もかも自然で本能のままに楽しめる空間だった。ほぼトリップしてた。あんなに過酷だった暑さも感じない。自身からの解放。どんどんスピリチュアルになる。まだ一曲目だ。いつまでも聴いていたい、鳴り終わっても頭の中で回り続けるようなリフが止み、曲が終わる。たみおさんの口から「中津川」とご発声。地元でもなくただの隣の県に住む者ですが誘致成功みたいな達成感で満たされる。

快楽ギターが始まり周りのテンションも高くて相乗効果で楽しい。どこまでもとべる。ギターとピアノは跳ね回るだけさ。ソロでオラオラギターを披露。求めていた形どんぴしゃが今目の前で繰り広げられていると思いまた泣ける。だから何でそんなかっこいいのかと若干の怒り。

めちゃくちゃぶち上がったもののこの2曲はわりと想定内だったが次がやばかった。トリッパー。序盤はギター一本で歌い上げる、これがまた野外の雰囲気に映える映える。たみおさんってこんな綺麗な声してるんだ…!と思うほどまさしく本当に(←重複表現)『愛のうたが胸にグサリ』だった。この曲、曲と詞がマッチしすぎなんだ。伸ばした声がそのまま宝物になった。そして曲の途中からドラムの音が入るところ、わりとハイライトシーンだった。ベースとキーボードの音も足されると、バンドのよろこびを感じた。バンドって良いなーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!と思った。さわやかのびのびソング(とは)の顔しといてグサリと刺しにくるトリッパーという曲。まっさおな空もまっしろな雲も、それだけではないと歌う。私は青いなー白いなーと思っているのでまだまだ。たみおさんの視点を持って色んなものの本質を見てみたいと思った。けどたみおさんには敵わないと打ちのめされる瞬間も好きだ。

次は荒野を行く。今わたしがOTに関する全ての記憶を失ってファンじゃなくなったとしても(謎状況)、この曲聴いたら「めらめら燃える」の「め」でもう好きになる自信がある。高らかに歌い上げてここでも声が綺麗な印象をもつ。喉になんかした?アウトロで演奏が停止→再開するところが長めで萌えだった。演奏する側もそういうところを楽しんでるよねきっと。できればその沈黙で拍手が起こらないでほしかったけどしょうがない。こんなに良い天気良い景色なのに聴いてるあいだは確かに荒野だった。雰囲気ありまくり情緒ありまくり。すごすぎるだろMTRY。

つぎ愛のボートやってくれた。イントロなく急に歌声から始まる曲。心の準備できてないから~!と思う。歌詞がなく「ラ♪」で歌う部分すっっっっっっっっごい好きだ。ギターソロかっこいい。アンニュイな歌唱で本当に海でゆられているような心地よさとバッスバス鳴るドラムが合わさって耳が“悦”だった。というかずっとドラムがやばすぎる。知識なくてペラペラな表現になってしまうけどずっとヤバい。もちろんベースもピアノも、価値しか無い。いま価値のある演奏を聴いている…!ってなる。

イナビカリもやってくれる。クライマックスを感じてちょっと寂しいのとやっぱり楽しすぎるのとで情緒ぐちゃ女。お客さんのノリの一体感が結構すごかったと思うしたみおさんもノせられてる部分が多少あったと思う…自負。ノリノリだった。ここに集まってる人のパワーでなんかできそうだった(漠然)。

御免ライダーあああああああああああああありがとうございます好き!!!!!!!!!ステージにミラーボールがあったので回ってほしかったけど微動だにせず。ここで使わずいつ使うのか。全ての人がノリノリまさのり状態だった。たみおさんもぴょんぴょこ跳ねる。めちゃ跳ぶじゃん、と思った。軽やかだった。天に向かって指をさしたりする、指は真っすぐピーンとせずぶらぶらとするところがOTを体現していてだーいすき。

明日はどうだ。これは一番予想外の選曲で驚いた。ライブでやるの久々なのでは?。掻き立てられるような刺激的な演奏でみなぎった。色々とみなぎった。常識はずれな人間だったら叫び走りまわっていたはず、なんとか常識は持ち合わせていたが。お前の明日はどうだ、と問われて姿勢を正すけどすぐにへろへろになった。でもこれからも思い出したい。

今日はなんだか持ち時間を気にしているような発言が多い。いつまでもやってくれていいんですよ?時間を確認し「あと10分!あと2曲!」とするどく言ったのがなんだかイケだったのとすかさず始まったのが最強のこれからだったので、もお~~~って気分になった。“良”すぎて嫌になっちゃう瞬間。前方のお客さんも見て分かるくらいへにゃ~ってなってんた。最強のこれからは言わずもがな本気曲なのでバンドも本気、聴く方も本気、力込め込めすぎ時間になること必至なのでわたしは天邪鬼なのであえて気を抜いて聴こうとしてしまう。でも自然に力がこもって自分の腕をつねっていたりする。何度聴いたかも分からない「ヒビやシミやズレや穴も君と見るとわりとたのしいや」って歌詞が大好きでかみしめて聴く。メロディとOTの声にマッチした天才すぎる歌詞だと思っている。縦によく伸びる口を観察しここから発せられる声にみんな魅了されてんだなあとしみじみ思う。今回のライブで気づいたことは、「山」とか「海」とか歌詞に入っている自然のワードを野外で聴くとなんか最高ってこと(ここに海は無いが)。より歌詞の世界というかOTの世界に入り込むような強めの幻覚を勝手に味わっています。「あっというまにとおざかるよハニー」のところがかっこよすぎ。もう理屈ではない。これも何回も書く気がするが「ひとつ変えたら~」でひっそりとした張り詰めた雰囲気になって徐々に盛り上がる構成が神様の所業と思う。そこからのギターソロは舞台下手ではなくセンターへ出てきてくれたのでわたしの立ち位置からよおおおおく見えた。見てるよー!!!!聴こえてるよーー!!!!って伝えたかった。伝わっただろうか。こんなにたくさんのものをたみおさんから頂いているのに私は…私は……ッッッと不甲斐ない気持ちでいっぱいになった。壊れてしまいそうな極限のギターソロだった。

最後はさすらい。ライブで聴くさすらいの歌声はなんだか男前だと毎度思う。CD音源と違う言い回しして歌ってる箇所があってウヒャーとなったけどどこかは全然覚えていない。公式がアップしてるレポート記事に「来年は「さすらい」をシンガロングできるかもしれない!」と書いてあったが私としては全然みんなで歌うよりOTの歌を聴いていたいが?と思った。コロナ禍のライブではアーティストが世情を憂いて次回はコール&レスポンスできると良いですね皆さんそれまで元気で(要約)的なMCをよくしているけどOTは全然そういうことを言わないのでそういうところが大好きです。今回は私の理想とする言葉数がすくなく(持ち時間の関係もあるだろうが)粛々と確実に曲を演奏していくというライブが見られたので満たされまくった。でも言葉にせずともバンド内の意思疎通というかコミュニケーションはばっちり見られてグルーヴ感満載で「あ゛ー!!“これ”だよ!!」と何回も思った。お客さんの熱気もステージに伝わったと思う。恐らくユニコーンのライブを見たらそれはそれでおじさんがわちゃわちゃしてるの最高だなオイとか一生言ってるんでしょうが今はこれが一番最高(重複表現)。たみさんかっこよくてかわいかった。来てくれて本当に感謝するし森羅万象に感謝。なんか「これからは毎年出たいと思います」と言っていたけど幻聴じゃないよな?中津川お気に召したかな?自然ゆたかだけど綺麗に整備されてほどよい広さの会場で音が良くて素晴らしいフェスでした。